イントロ , 2006/4/28 , 4/29 , 4/30 , 5/1 , 5/2 , 5/3 , 5/4 , 5/5~6
私「どっか行きてぇ」
2006年3月中旬、私の何気ないこの一言からこの旅行が始まった。妻が夕食の準備中、私は今シーズンお世話になったボードをかたずけていた時の事である。

妻「海外?」と妻が振り返る。
私「英語の通じるとこでね」
私は片言英語は話せてもヒヤリングは全くダメ。その点イギリス出張と駅前留学を経験した、妻は早口でも結構聞き取れるらしい。ひとまず通訳は任せられるので安心である。
妻「ニュージーランドは? 私トレッキングしたい」
私「いいねぇこれからまたボードできるしなぁ」
妻「どうぞご勝手に、いつ行くの?」
私「ゴールデンウィークか盆休みかな」
妻「一番高い時ねぇ」
私「他に休みとれないし、ええやん」
いつかは海外でと思って用意した、スキーツアーのパンフレットをパラパラめくりながら・・・4月の後半出発だと結構安いことに気づく。雪質も悪く、ハイキングには早過ぎる中途半端な時期だからか・・・
私「ゴールデンウィークにウィスラーは?」
妻「ウィスラーってどこ?」
私「カナダ、次のオリンピック会場だよ」
妻「へぇー」
私「俺は山へボード、お前はバンクーバーへ買い物、どう?」
妻「いいわねぇ確か部長の弟さんが
バンクーバーでガイドやってたわぁ、明日聞いてみる♪」
妻の「部長」とは、勤め先の先輩である。2児の母親で、態度がデカイんで「部長」と呼ばれているそうだ。現在育児期間と言うこともあって、気がむけば朝10時出社して夕方4時に帰えるらしい。
2006年3月最後の金曜日。我々が新婚旅行以来お世話になっている、M社に行った。ゴールデンウィークまであと1ヶ月である。飛行機は取れないかもしれない。
私「こんちはぁ」
M「おや、お久しぶりですねぇお元気でしたか?」
いかにも顔を覚えていたかのような挨拶である。この適当なおっさんが客の顔と名前をいちいち覚えている訳がない。でも、仕事に関しては定評がある。過去3回の急な海外旅行、すべて実現してきたのである。困った時はM頼みである。
私「ゴールデンウィークにカナダ行きたいんですけどぉ」
M「カナダのどちらですか?」(パチパチパチ)
私「西の方、できるだけ安くあげたいんですがぁ」
M「ああ、バンクーバーですね、
台北経由で行くと安いっすよ」(パチパチパチ)
私「・・・・」
M「このルートは私が見つけましてねぇお勧めですよぉ」(パチパチ)
私「・・・・」
M「今年の2月にはオーロラツアーを企画しましてぇ」(パチパチ)
キーボードを叩き続けるこのおっさん、放っておいたら1人でどんどん喋りまくるのである。このままでは「台北経由」になってしまう、ヤバいと思ったのか妻が口を開いた。
妻「あのぅ私、飛行機に弱いんで乗ってる時間が短い方がぁ」
M「じゃ直行便ですねぇ
この時期難しいかもしれませんねぇ」(パチパチパチ)
妻「・・・・」
M「でも、任して下さい、必ず押さえますから」(パチパチ)
妻「・・・・」
M「苦手な航空会社とかありますか?」(パチパチパチパチ)
私「えーと、ギョーザとキムチ臭い飛行機は苦手ですねぇ」(笑)
M「バンクーバー以外にどこか回られます?」(パチパチ)
私「えぇと、ロッキー辺りとかぁ」
妻の話によると、部長さんも数年前に弟を尋ねてカナダへ行ったらしい。で、その時ロッキーも訪れ、大自然の雄大さにすごく感激したらしい。
また、私はロッキーに3つのスキー場があるのを以前から知っており、こっちの方にも興味があった。当然、行ったら滑るつもりだ。


M「ロッキーだとカルガリー行になっちゃいますねぇ」(パチパチ)
私「バンクーバーかカルガリーどっちかとれた方でいいです」
M「出発はいつにしますか?」(パチパチパチ)
妻「4月28日なんて、どう?」
妻が私に問いかける。昼間インターネットで運賃を調べたらしい。平日1日休むことになるが、この1日で¥1万ぐらい差が出るらしい。大蔵省(今もそう言うのかな?)の言うことは後々響くので、この際従わざるを得ない。
私「いいんじゃない」
M「で、お帰りは?」(パチパチパチ)
妻「5月6日でお願いします」
M「分かりました、任せて下さい」(パチパチパチ)
さすが大蔵省、帰りまで決めてやがる!
その翌日、M社から早速メールが届いた。「ご苦労様です」という、ええ加減なタイトルが付いている。どうやらエクセル形式の日程が添付してあり、そっちを読んでくれと書いてある。私のマックにはワードやエクセルのビジネスソフトは入ってないので、何か適当なテキストエディターで見てやろうと思って開いた。が、中味は解読不能。会社へ持って行けば見れるが、せっかくの休日だし、マック用エクセルビューワをネットで探すことにした。
10分ほどググって、icExcelの30日お試し版をゲットした。タダで1ヶ月使えれば十分である。で、早速日程を開いた。サンフランシスコ経由で名古屋-カルガリー便がとれた模様だが、出発がKIX(関西空港)と書いてあって、ええ加減である。それと帰りの便の横にRQと書いてある。とりあえず、M社に電話で確認する。
私「帰りの便にRQって書いてあるんですがぁ」
M「ああ、まだとれてないんです、でも任しておいて下さい」
私「名古屋出発ですよね?」
M「ええ、そうですが」
私「航空便名のところでぇ」
(出発がKIXとなっているんですがぁと言う前に)
M「あれぇユナイテッド航空初めてでした?大丈夫ですよ」
人の話最後まで聞けって!あんたが大丈夫か心配なんだよ、と言いたかったがささいなミスのようだ。目くじら立てる必要もあるまい。正式に契約するときにまた確認すればいいことだ。
私「はぁ大丈夫ですか」
M「帰りの便がとれましたら、またメールしますねぇ」
私「はい、よろしくお願いします」
と、その3日後、再びM社からメールが届いた。また「ご苦労様です」という、ええ加減なタイトルである。今度は、バンクーバー経由で成田-カルガリー往復便を確保したそうだ。やったぁ♪すぐ妻に知らせる。当然喜んでくれるものだと思った。
妻「いくら?」
私「ええっと、1人22万」
妻「飛行機代だけでぇ、やっぱり、たっかいわねぇ」
私「しょうがないじゃん、とれただけでも奇跡だろう?」
妻「そうだけどぉ」
私「その分ホテル代ケチればええやん、
それに部長の弟さんにガイドしてもらおうよ!」
妻「えっ!バンクーバー在住だからムリよ
それに連休中は稼ぎ時でしょう」
私「あっ、そうなんだぁそれじゃレンタカーで回るしかないね」
妻「運転、大丈夫?」
私「たぶん大丈夫!あのMさんでも運転できたんだし」(笑)
妻「じゃー国際免許とらないとねぇ
免許センター、平日しかやってないわよ」
私「明日行って来る!」
レンタカーで移動ってことは国際免許も然る事ながら、土地勘をつけないといけない。まずは地図だ。田舎の本屋にはカリガリーの地図なんてある訳ないはなぁ。そこでネットの出番で、この時役に立つのがグーグル・アースである。便利な世の中になったもんだ。これでカルガリー空港からバンフまでの行程のイメージトレーニングを行う。既に宿泊地はバンフに決めていて、気分はトランス・カナダ・ハイウエイ#1を走っているのである。


レンタカーを借りる場合、忘れてはならないのは、運転手名義のクレジットカードである。これがないとなんぼ日本で予約しても貸してくれない。なぜかと言うと、偽札対策が表向きの理由で、本当は向こうの人はおつりの計算ができないからである。マジで(笑)それから、保険でビックリしたのだが・・・カナダでは対人・対物保険が無いのである。田舎の一本道で人や車が少ないのか、国が保証しているのか、何かと裁判で決めるので賠償額が決められないのか、不明である。私も保険に入ったが車の損害を保証するだけのものであったように思う。事故ったら国に帰れないかもしれないな・・・
それから数日後、宿が記載された日程表が届いた。最初、YWCAに4泊する。YWCAとはYMCAの女バージョンで男も泊まれる、日本のユースホステルのような感じ。それから、レイクルイーズ・インに2泊。この2つは格安で貧乏人にはお勧め。最後の晩は空港隣接の高級ホテル、デルタ・カルガリーエアポートに泊まる。これはM社の計らいで、レンタカーを返す時あれこれモメて飛行機に遅れる心配があるので、ここに前泊することになった。ところが実際、車両保険に入っていたのでノープロブレム。1日損した気分である。
宿も決まって、国際免許も取得したし、パスポートも更新した。今回からパスポートにICチップが埋め込まれるようになった(テレビの上とかに置けないな・・・)。あと・・・大自然を撮るため、ズームの壊れたサイバーショットを処分し一眼レフも買った。妻がブツブツ言うのをよそに、クリーニングしたてのスキーウエアもザックに詰め込んだ。レンタルと言う手もあるが、サイズ合わせやセッティングに手間どるし、お金も無い。結局、メットからブーツ、ボードまで一式持参することにした。パッキングから機内持込まで、ルスツへ行った時の経験がここで役立つ。それから・・・妻がまだブツブツ言っている。クリーニングより、レンタルする方が高いやんけと思って耳をすます。
妻「 Where can I put my bags? 」
「 Is my bag checked through to Narita? 」
「 I'm not feeling well,and I'd like to lie down 」
「 Are there any empty seats? 」
気の毒に、飛行機に酔っててもすぐ言えるように練習しているようだ。
妻「プライムリブならバンパースが有名・・・」
「ティチーノはスイス料理・・・」
「ジョルジオスは好きだがパスタはダメ・・・」
おや、結局は食いもんかよ!
私「おい、何言うてんねん、さっきから」
妻「きょう、部長から教えてもらったのよ」
私「ほう、そう言う情報はありがたいのう」
さて、食い物の情報は妻に任せるとして、自分はリカー・ショップ(これが1番重要!)やガソリン・スタンド、宿までの道順を覚えなくてはならない。それからゲレンデ情報や一眼レフの使い方(笑)・・・これから楽しい勉強が始まる。と思っていたら、私のクレジットカードが海外でも使えるか不安になった。妻はいろいろカードを持っているが、普段現金しか使わない私はスーパーの割引カードしか持っていない。割引目的にレジで見せるだけで、買い物に使ったことがない。レンタカーの予約申込書をよーく読んでみると、運転手名義のクレジットカードが無いと貸さないと書いてある。出発の1週間前のことである。そこで、カード会社に問い合わせたり、すぐ作れる所はないか当たったり、本当に焦った。最悪、朝申し込んで夕方受け取れるニコスカードって言う手もあるが結局、手持ちのカードが使用可能と判明した。一安心である。
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